スイミング不足

あっという間に桜の季節も終わり、だんだんとすがすがしさのある緑の色が強くなってきた。
たまに行くプールにもだんだんと泳ぎに来る人が増えてきた。増えてきたと言ってもじっくりと観察すると、たまに泳ぎに来る人たちが来ている頻度が増えているだけで、その結果として人が増えているということに気付く。

本格的に増えてくるのはまだ先なのだろう。

コースレーンの真ん中で長々と雑談していて、泳いでる時間よりも話をしている時間の方が長いのではないかと思えるような人たちとか、数人のグループで泳ぎに来て結果的にコースを占領してしまっているガチなグループ勢と、さまざまな人たちが泳ぎに来ている。
わたしのように単独でマイペースに泳ぎに来る人たちは意外にも少数派だ。

いろいろな人たちが混在しているけれど、全体的に見ると毎日が同じだ。お金を払って泳ぐことが許可されていて自由に泳いでいいスペース。そんな中でも決まったルールと、なんとなくのルールのようなものがひしめきあって存在していて空気中の成分として含まれている。
その存在が、この混在したスペースを意味のあるスペースへと成り立たせている。

ところで、この世界で水が怖いという人がどれだけ居るのかは分からないけれど、わたしはそのうちの一人だった。シャワーを避けて歩くほどの恐怖症で、子供がふざけてシャワーを避けて進むとかではなく、本気で避けて歩いていたらしい。
らしいというのも幼い頃のことなので記憶にはなくて、これはこのままだとこの先にきっと大変なことになると思った幼稚園の先生がスクールに行くことを勧めたという流れだ。
スクールはだいたい5年ほど続けていた。続けていたというのはニュアンスが違っていて普通に泳げるようになるまでに5年くらいかかった。全ての課程を修了するまでに5年だ。
どちらかというと苦手なことなのは明らかで、よくそんなに続けてたなと思うけれど、続けていた明確な理由も分からない。もしかするとだれも辞めろと言わなかったからというどこかで聞いたような理由かもしれない。
ただ今でも泳ぐことが出来ているのと、たまに泳ぐというのも一つの事実だ。

同じ頃に習っていたことが他にもあった。これは何故だかスイミングとは反対に練習をまったくしなくてもどんどんと上達していった。どんどん先に進むことができた。
これを才能というのだろう。ただやっていて楽しいという感覚があまりなかった。出来るのに楽しくないと言うのはとても贅沢だけれど、それも一つの事実だった。
始めてから1年ほど経った頃に、年齢的にはもう遅い方になるからこれから本気でやっていくか、もう辞めてしまうか、どちらかにした方が良いと勧められた。本気でやるなら俺も本気で教えるからということらしい。やるなら本気でしろ、でなければ去れだ。
ただぼんやりと生きていたわたしにとって、その瞬間、突然に現れた人生というものを意識させるような感覚が怖かった。

プログラミングというのは今では生活の一部のような役割を果たしているけれど、わたしにとって論理的な思考というのはどちらかというと苦手な資質で、じつはスイミングと同じく継続して学んで身についたものの一つだ。
最近、ストレングスファインダーというワークを知った。自分の持っている資質で、得意なところから苦手なところまでの資質を知ることができるもので、それはあくまで資質というものであって、その得意な資質を知る事で、それを磨いて強みにしていこうという自己実現をするための下地作りのようなワークだ。
プログラミングのことは、クラスメイトで相当できる友人が居たからその違いについては昔から知っていたことだった。

どちらかというと苦手な資質を使って生きている時間の方が長いものだから、本物との違いを知っている。だから才能なんて言葉は気にしないでも生きていけるよとか、役に立つ事もあるんだよと言える部分を持っているし、ただ得意な資質を活かしていた方が生きやすいし、そちらの方が成功しやすいのだろうということも言える部分も持っている。

いろいろと調べていると、強みを発掘するような仕事を持っている人がだんだんと増えてきているらしい。これもまたロジックと言えそうだけれど、その時々でベストな人たちが集まるタイプの仕事のあり方というものがこれから増えていくのだとしたら、その根底の仕組みからフォローするような仕事を持つ人たちも比例して増えてくるはずだから、その結果として自分の強みで働く人たちが増えてくる。労働のあり方ももっと分かりやすい形で少しづつ変化していることに誰もが気付いてくような流れになるのかもしれない。

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